新年のご挨拶2025年01月01日

 


皆さま、明けましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今日、いただいた年賀状の中にも、「ブログを読んでいます」というお言葉がありました。どうもありがとうございます。
とてもうれしく、それを励みにまだ続けていこう、と決意も新たにしました。

 

年の初めのブログに「新年のご挨拶」を載せることが恒例になりました。昨年の1月4日には前年を振り返って、


ひとことで言うと、2023年は「いい年ではなかった」。
 

などと書いています。でも今年は違います。

 

ひとことで言うと、2024年は「いい年だった」。
 

前年に脳出血で倒れた義姉も、1月にはリハビリ病院を退院し、義母と二人、実家の近くの有料老人ホームに入居することができました。24時間看護師が常駐し、隔週で往診があり、至れり尽くせりです。

103歳の義母が、78歳の義姉の車いすを押して廊下を歩く姿は、なんとも言えません。

 

肩の荷も下りてやれやれ……と、3月に夫と慰労の旅をしました。大好きな琵琶湖巡りで、レンタカーを走らせてドライブを満喫。まだまだ桜のつぼみも硬く、寒かったです。

 

4月には京都と奈良へお花見。インバウンドですごい人でしたが、上手に人混みを避けて、まだ少し早い桜を楽しめました。

また、東山の邸宅や、嵐山の福田美術館を見て歩き、日本画家の大家、竹内栖鳳の芸術と、初めて触れあうことができました。

 

5月には、静岡ドライブの旅。35年ほど前に住んでいた清水から駿河湾のカーフェリーに乗り、西伊豆まで。お天気が良くて、富士山もきれいに見えて、感激したのはつかの間でした。まあ揺れたこと揺れたこと。まいりました。

 

という具合に、春だけで3回もミニ旅行へ。

そして、すでにブログに書いているとおり、念願の海外へ。6月には南フランス、11月には上海と、年に2回も海外旅行をしたのは初めてのこと。それだけでも、充実の一年だったと思えるのです。

 

12月末には、ついに古希を迎えました。

もっとも、「古来、希(まれ)なり」だから古希、と言ったのは昔の話。近来はざらにあることなので、キンザラというのよ、と人生の先輩から教わりました。

 

ところで、その誕生日から、夢のような、運命のような、タイムスリップのような、不思議な偶然が重なって、そのことに気持ちが持っていかれてしまっています。

今はそこまでしか書けませんが、いずれ、それを書いてみたい。

2025年からの私の70代は、ますます素敵な出来事で“満ちてゆく”。藤井風君の歌のように。その予感を信じて進みます。

 

中断していた「南フランスの旅のフォトエッセイ」も⑪から再開します。また覗きにいらしてください。

皆さまにとっても、素敵な年となりますように。


 

 


2000字エッセイ:「泣き寝入りしている場合じゃない」2025年01月16日

西暦2000年、サザンオールスターズの「TSUNAMI」が大ヒットした。

小学6年だった自閉症の長男が、卒業が迫ったある日、担任の先生とふたりでその曲を歌ったという。人が歌うのをいやがる息子が、そこまで心を開いたことに驚いた。しかも、作者の桑田さんの次男は自閉症だという。いわれてみれば、歌詞はまさに自閉症を思わせるではないか。

そんなこともあって、息子と私はサザンのファンになる。そして、ファンクラブにも入り、コンサートにも2人で出かけるようになった。国民的バンドとして、不動の地位を築いたサザン。チケット入手は、ファンクラブの先行受付ではないと、なかなか難しい。これまで毎年のように2人分のチケットをゲットしては、ライブを楽しんできた。

 

今年も全国ツアーがあるというので、昨年のうちに抽選受付に申し込んだ。会場は最寄りの横浜アリーナがいい。

提携するチケット販売会社への入金方法は、クレジットカード決済か、後日コンビニ支払いが選択できる。最近の支払いはいつもカード払いにしている。当選した時点で決済も完了するから手間がかからない。注意書きには「決済の時点で残高が不足している場合には自動的に落選となります」とだけ書いてあった。

 

結果発表の前の日、そのクレジットカード会社からメールが来た。

「お客様のカードが、不正利用検知システムで第三者による不正の可能性を検知したため、取引を制限いたしました」

その利用金額は、なんと2人分のチケット代金にぴたり合致するではないか。当選したのだ! カード利用があると即時にメールが来るので、以前にも発表前に当選がわかったことがあった。

すぐにカード会社に「本人の利用だ」と連絡をして、制限を解除してもらい、チケット販売のローソンチケットにも、その一件を伝えた。ところが、

「カードが何らかの理由で決済できないときは、その時点で落選となります。弊社ではそのカード情報を保持しておらず確認ができません」と、つれない回答。

 

翌日の結果発表では当然の「落選」。カード側の安心のためのセキュリティが、大手チケット会社の必要なアクセスまでも、不正利用と判断してしまった。私には何の落ち度もないのに、当選という権利を侵害されたのだ。

もっとも、数年前にはこのシステムが実際の不正利用を発見し、事なきを得た経験もある。カード会社を責めるわけにはいかない。

 

ファンクラブにもメールを送って訴えてみたが、

「不正利用の扱いとなった原因に関する詳細は、ご利用のカード会社にお問い合わせください」という責任逃れの回答で、取り合ってはくれなかった。

友人たちからは次々と「さいたまアリーナ、当たり!」「宮城アリーナ、ゲット!」と喜びの声が飛び込んでくる。

私だけ落選の憂き目に納得はできなかったが、まだチャンスはある、と気を取り直した。先行受付の第2弾がある。確率は低くなるけれど、とにかくチャレンジあるのみ。息子の希望で、狙うはツアー最終日の東京ドーム公演だ。

今度は、抜かりなく「コンビニ支払い」を選択した。こんなふうに、IT利用に背を向けるのは、本意ではないのだが……。

 

今回の第2弾手続きの時には、第1弾にはなかった、次のような詳細な注意事項が増えていた。

「クレジットカードの限度額超過やクレジットカード会社の不正検知等、何らかの理由により当選時に決済が失敗すると自動的に落選となります。一度落選となった場合、いかなる理由があっても当選結果は変わりません。

※カードの決済可否はご利用のカード会社による独自の判断となりますため、決済状況に関するお問い合わせにはお答えできませんので、予めご了承ください」

私と同様、悔し涙を流したファンが多かったのだろう。これ以上泣き寝入りするファンを増やさないために、私のクレームが一役買ったにちがいない。

 

とはいえ、こんなことを続けていたら、日本のIT社会は進歩していかない。こんな調子だから、どんどん世界においていかれるのだ、と心配になる。

カード会社とチケット会社との間に認証システムがあれば、今回のトラブルは避けられたのではないか。最近では通販などでカードを利用すると、本人確認のためにその場限りの認証コードを電話番号やメールで受け取って記入する方法が増えた。企業間の取引にだって応用できるのではないだろうか。

 

さてさて、第2弾の結果発表まであと2日。本物の当選を、首を長~くして待っているところであります。





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