こだわりを脱いで(前半に続く)
息子は、小さいときからとにかくテレビが大好きだった。友達のように日がな一日、いっしょに遊んでいた。ただし、外国語だけはいやがり、子ども向けの英語番組さえも見たがらなかった。
3歳ぐらいのころだったか、あるとき、子ども番組が終わって、風景が映し出されたとたん、悲鳴を上げてテレビを消した。何だろうと番組表を見たら、次はスペイン語講座。オープニングのシーンをひと目見ただけで、わかったのだ。きっと以前にもそのまま見続けてしまって、なじみのない言葉によほど恐ろしい思いをしたのだろう。
それがいつからか、本屋で見つけたテキスト片手に、「セサミストリート」を見るようになってしまったのである。わけがわからないから怖い。ならば、解説書とともに見ればいい。彼のこだわりは逆転し、この月刊のテキストもシリーズ・コレクションに加わった。
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