4人きょうだい
身内の集まりで、甥や姪たちと、おしゃべりをしていた。男2人に女2人の4人きょうだいで、今では子どももいる30代、40代の4人だ。私も同じ構成の4人きょうだいだったので、話が通じておもしろい。
子どもの頃、お菓子は何でも母親が4つに分けたという話題になった。
「ひとりで全部食べたいって、いつも思ってたよね」
「そうそう!」
「メロンもスイカも、丸ごと抱えて大きなスプーンでほじくって食べたいと思ったよね」
「そうそう!」
私も同じ思いだったけれど、おとなになったら忘れていた。しかし、彼らは違った。
「自分で自由になるお金が出来たら、絶対にひとりで食べようと思って……」
「やったの?」
「やった」
「私も」
「ぼくも。かまぼこも丸ごと1本、恵方巻みたいにかじったこともあったよ」
「あと、ビエネッタも!」と一番下の姪っ子が言うと、
「えー、お前もか!」
「お兄ちゃんも?」
みんなで大笑い。兄妹そろって、すごい執念だ。ちなみに、ビエネッタとは、森永製菓の四角いケーキのようなアイスクリーム。チョコレートと白いアイスが波のように折りたたまれていて、子どもにはごちそうだった。
「満足できた?」
「うーん、夢は叶った瞬間、色あせるよね」
誰ともなく、ちょっと切ない大人の顔に戻っている。
一人っ子がうらやましいと思ったあの頃、そしてそれをみんなで笑い合える今。きょうだいの絆は色あせることがない。
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