ご多分にもれず、私も新型コロナウィルスの拡大防止のため、たくさんの予定が、中止や変更になっています。
ところが、タイミングがいいことに、ちょうど2月の下旬から、家中の模様替えを始めたところで、出かける予定がつぶれるたびに、手を付ける箇所が広がっていくのです。連日朝から軍手をはめて、古い家具を処分したり、クロゼットの棚を片づけたり、さらには大型4〓テレビや新しい家具を買い入れたり……と、断捨離と大掃除にどっぷり浸かってしまいました。いまだに終わりそうにありません。
先日、都内に暮らす娘に、「たまには帰れないの?」と電話をしました。
「私たち若い人は発症しないだけで、もうウィルス持ってるよ。みんなそう思ってる。家に帰ったりしたら、うつしちゃうから、帰らないほうがいいでしょ」
なんだか悲痛な叫びに聞こえて、こちらも切なくなりました。
学校は一斉に休みになっても、企業戦士たちは感染リスクが高い満員電車で出社して、働き続けなくてはならない。テレワークや時差出勤を推奨されたって、そうはいかない職種もある。職場では社員同士でそういう話をしているらしい。
わが身の危険も顧みず、身を粉にして働いていた横浜港のクルーズ船の職員たちのようだわ、と思いました。
遅ればせながら、桃の節句の翌日、雛人形をクロゼットの奥からようやく運び出し、2年ぶりに飾りました。帰らない娘の無事を祈りながら。
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