南フランスの旅のフォトエッセイ:�Jエッセイ:「4」にご用心!
2025-03-11


「150ユーロと、あとチップを少し足せばいいんじゃない」

と、私は言ったつもりだった。軽くうなずいて、彼女は店内のトイレを借りるついでに、室内で支払いもすませてテーブルに戻ってきた。

「200ユーロとチップ、渡してきた」

「え? なんで。細かいの、なかったの?」

「だって、199.5ユーロでしょ」

「ええ? 149.5よ。ほら見て」

手書きのレシートを見せた。


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たしかに4ではなく9にも見える。その隣には、アルファベットのgのような数字の9があって、彼女は錯覚してしまったようだ。

どうしよう! と困り顔のHiromiさん。

満席の店内で、会計担当の従業員は忙しくてよく見ないままお札を受け取り、たくさんのお金が入ったザルのようなお皿の上に、ぽいと置いたというのだ。

「私がいくら払ったか、もう確かめられないと思う」

「大丈夫、取り返してくるから」

50ユーロは見過ごせない。日本円で8600円なり。たとえチップとしても取り過ぎだ。

 

 私たちのテーブルの担当だったウェイターをつかまえて、手書きのレシートを見せながら、つたない英語で事情を説明した。読み間違えてごめんなさい。でも、お返しくださったら、とてもとてもうれしい、とかなんとか……。

 彼は数秒考えたのち、

「50ユーロでいいんですね。OK!」

と、気持ちよく紙幣を1枚返してくれた。2人でほっと胸をなでおろした。いいお店でよかったね。


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