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夜の10時、ようやく日没の時間だ。
とくに防寒着のようなものは用意して来なかったので、ありったけのカーディガンを着込み、スカーフをぐるぐる巻きにして出かける。まず島の外へ出てみた。風が冷たい。
夕日は水平線の近くまで来ていた。
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「もっと島の高いところから見よう。まだ間に合うわ!」
もう一度門をくぐり、石畳の参道を走っていく。ホテルの前を通り抜け、教会の前を横切り、階段を上り、また降りると、そこに展望台があった。
すでにたくさんの人たちが夕日を見ていた。ほとんど日本人のようだ。
同朋の気安さから、お互いに写真を撮り合った。娘はシャトルバス乗り場の横で、裏起毛のトレーナーを買って着ている。MT.ST.MICHELのロゴ入りだ。
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後から地図で確認すると、そこは北塔と呼ばれ、ここからの眺めは北西から北東あたり。
背後には修道院がそびえている。
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いよいよ、オレンジ色の太陽が、強烈な輝きのまま海水につかり始める。
リケジョの娘は、こういう時に冷静沈着。定点で写真を撮り続けていた。
あとからタイムをみると、10秒から40秒ぐらいの間隔で撮っている。
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