ちょうど2年前の今頃、娘と二人でポルトガルの旅をしました。
ブログのシリーズは、(8)まで終わっていますが、本当はまだ途中。あえて冬を待って続きを書きました。
スマホの読者は、先に写真だけこちらで見て、最後にスマホ用のリンクがありますから、そこから文章をお読みくだされば、と思います。
旅行の前にリスボンのガイドブックを見ていたら、この小さな手袋屋さんのことが載っていた。
ルヴァリア・ウリセス。1925年創業。
「ここに行きたい! このお店で、絶対に手袋を買いたい!」
なぜか強い気持ちがわいたのだった。
扉の上に、店の名前があり、そこにも手袋のフィギュアが。▲
近づいて狭い店内を覗くと、まじめな銀行員風の男性が、奥から現れた。
「この手袋が欲しいんです」と、ショーウィンドウの中の一つを指さす。
真冬に着る焦げ茶色のコートに合わせて選んだのは、焦げ茶色のスエードで、指の側面とベルトなどのトリミングはネイビーがあしらわれている一品。
「では、片手をここに置いてください」
穏やかに彼は言った。
左利きの私は、いつも左手が出る。私の左手、小さいのに指は太くて短くてごつい手を、遠慮がちにカウンターの上に置いた。
「OK」
彼は、ほんの一瞬、0.5秒間、私の手をちらりと見ただけ。すぐに奥に入っていき、壁にびっしり並んだ引き出しを一つ、持ち出してきた。
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