古希の大冒険に旅立てば 後編
羽田からパリへは無事に到着。しかし、空港からホテルまでの移動も、不安要素だ。去年のニースの空港では、夜遅く着いたのに、予約したハイヤーが現れなかった。友人と二人だったから、何とかなったけれど、今回は一人でタクシーに乗るつもりだ。
私が大きなスーツケースを引きながら、出口を通り抜ければ、さっそうと男性が現れて、どちらへ、と聞いてくる。アブナイ。一瞬身構えたけれど、「旅行案内」と書かれた赤いベストを着ている。本物だろう。タクシー乗り場へ行きたいと言うと、こちらへ、と案内してくれて、並んで待つようにと足跡マークを指さして、去っていった。
パリは去年のオリンピックのおかげで、なにかと整備が進んだようだ。今では空港からパリ中心部までのタクシー料金も一律に定められている。ホテルの名前と住所と金額を記した紙を用意しておき、運転手に渡した。東洋系の運転手はまったく無駄口をたたかずに、ごみごみとした市内を巧みに走っていった。
▲ドライバーは、襟巻をしている。暑くないのかな、と心配したが、そうではなかった。首にサポーターをしているのだ。追突されたのだろうか。だとすれば、無茶な運転はしないだろう……と、ちょっと安心する。
ホテルの入口はアーケードの中にあった。ビルはかなり古い造りで、ドアを開けると、小さなエレベーターをぐるりと取り巻くように階段が続いている。薄暗く、紫色のカーテン、あやしい壁画……。まるで、占いの館といった雰囲気だ。スーツケースがあるので、仕方なく2階のフロントまでエレベーターのボタンを押す。
▲ホテルは、パッサージュ・ジュフロワという名のアーケードを入っていき、右側に入口がある。
▲入り口を入ると、階段がぐるりとエレベーターを取り巻いている。フランスのビルには多い造りだ。
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