半年ほど前の9月8日のブログにも書いているように、私の読書には、ある目標がある。
【西暦2000年以降の直木賞受賞作を読破する】
その数、最新受賞作を含めて40作品。残すはあと6冊。
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熊谷達也著『邂逅の森』は、2004年上半期の受賞作である。
マタギと呼ばれる東北の狩人の物語だ。
2日前に文春文庫で読み終わった。ただただ、圧倒された。
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読後に私の思ったことが、そのまま、田辺聖子氏の解説に書いてあったので、それを以下に引用させていただく。
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大阪の町なかに生れて、山といえば、毎年、一家で避暑にゆく六甲山しか知らない、そんな子供時代を過して、そのまま、年を重ねた私。おそらく終生、東北の山々も、そこに住む人々も、その地の風、雪、獣たちを知らぬまま、人生の終りを迎えることになっただろう。
ところが、私は、人生の終りちかく、幸運にも、それらと、文字通り「邂逅」した。
本書の『邂逅の森』にめぐりあえて、よかった。私はこの小説によって、親愛なる狩人、マタギたちの人生や、東北の地の雪、氷、嵐、アオシシ(ニホンカモシカ)や熊の体臭、咆哮を、身近に感ずることができた。
(原文のまま)
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田辺氏と違うのは、私の子ども時代は海のそばで育ったこと。山らしい山を間近に見たのも、小学4年の林間学校で、箱根の山並みだった。
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