〈前回の続き〉
やはり、大きな病院で受診してきた。
この地に住むようになって30年、何かとお世話になっている病院。次男を出産したのもここ。長男が側弯症で入院し、手術を受けたのもここ。
昨年、母に胃がんが見つかり、入院・手術を受けたのもここ。
とはいえ、建て替わって、まるでホテルのようだった。
ロビーでは、グランドピアノが自動演奏している。患者さんたちがソファのような椅子でくつろいでいる。
最上階まで吹き抜けがあり、明るい光が差し込む。空調も、暑からず寒からず、快適に保たれていた。
受付をすると、ポケベルを渡された。メロディとともに、メッセージが映る。
「2階内科3番診察室の近くでお待ちください」
「3番診察室にお入りください」
「1階採血室の前でお待ちください」
……最後の診察が終わって、カルテを会計に出すと、しばらくして、
「本日のお会計は、¥×××です。自動支払機でお支払いください」
とまあ、至れり尽くせりで迷うこともなく、待合室に呼び出しの声が流れることもほとんどない。
患者さんであふれていた以前のことを思うと、別世界だ。
ところで、診察のほうは、改めて血液検査をして、当日わかる範囲を教えてもらった。すべての検査結果は、1週間後に出る。
自分でもいろいろなサイトで調べ、発熱の原因が何なのか、思い当たることはあるのだが、結果が出るまではなるべく考えないようにしよう。
なんとなくまだ体調が良くないのは、5日間抗生剤を呑んだからだろう。
「病は気から」というとおり、気にしてばかりでは、よけい重病人の気分になっていくものだ。
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