次の旅のシリーズを始めたいと思いながら、前回のシリーズを終えて、すっかり燃え尽き症候群に陥っている。書けない。気力がわかない。まさにスランプ……
そこで、先ほど読み終えたばかりの本について、感動を忘れないうちに書いてみよう。
千早茜さんは、『しろがねの葉』で直木賞を受賞。受賞作品はもちろん素晴らしかったし、それまでに読んでいた小説も、それ以降の小説も、どれもハズレがない。これが私の読んだ7冊目、大好きな作家さんだ。
最新の単行本だというので、図書館で借りたら、これまで書いてきた食べ物に関するエッセイをまとめた本だった。すでに「わるたべ」シリーズはこれが4作目だという。
私は食べもの関連の本はあまり読まないので、期待もせずに読み始めたら、いつもの小説と変わりなく引き込まれた。歯切れよくリズミカルな文体、繊細で濃厚な描写、独特のオノマトペや的確な言葉選び……。それらを駆使して、美味しい食べものの魅力や、食べることへの愛情を書き尽くしている。そして、ご本人も、恋人から夫になった男性も、彼女と関わる編集者たちも、食べもの同様に魅力的に描かれていて、読んでいて楽しくなる。
そういえば、この本に先立って読んだ彼女の小説は、『西洋菓子店プティ・フール』。パティシエたちとケーキを巡る話だった。洋菓子大好きの私は、たびたび生唾ゴックン、明日はケーキを食べよう、といつも頭の片隅で呟きながら読んでいた。
ところで、この本の最後を飾るエッセイ「安息の地(前編・後編)」は、休暇をとってウィーンを旅行した話。
彼女は、「そもそも、国内旅行でも三日も家を離れれば自分の味噌汁の味が恋しくなってしなしなになる人間」なのだそうだ。え、大丈夫なの、と心配になる。
しかも、ウィーンといえばウィンナーコーヒーの国だというのに、コーヒーも生クリームも苦手だという。え、本当に大丈夫なの?
なにゆえ旅先にウィーンを選んでしまったの?
持病もあり、睡眠不足や胃の不調など、毎日体のどこかに不具合が感じられるのが常だというのに……。
しかし、不安を抱えてウィーンへ向かった
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